2021.12.23（木）
題詠　　　　「新生」　　　　　　　　　　　　
鑑賞＆批評　「落葉」　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出題当番　　 ひららさん　　

1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお

2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし

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鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ
皆さん、鑑賞批評ありがとうございました。
少し推敲して
鳥と鳥落葉と落葉深秋の見えぬわたしとしばらくゐたい
にしようかなと思っています。

１年間ありがとうございました。
良いお年をね。

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みなさま
今年もあとわずかとなりました。
いろいろ、お世話になりました。
有難うございました。
お騒がせもしましたが、これに懲りずに来年もどうかよろしくお願い申し上げます。
佳いお年をお迎えくださいませ。　　　フミコ

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2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元に　　
　　あり

　実体験です。11月下旬白鬚神社の照子歌碑をたずねての帰路、黄金色の大銀杏の還来神社へ参りました。お天気続きで本殿裏の小川も底が見え比良山系からの水も少ないのかしらと思いを巡らせてる時一人だけの境内なのに背に気配を感じたら朴の葉の枯れ落ち葉が。境内を見回しても朴の木
はありません。
還来神社〜大津市途中（とちゅう　地名です）

お世話になりました。
来る年もどうぞ宜しく。
良き新春をお迎えくださいませ。

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1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
ご批評ありがとうございます。
どさっと落ちた後、葉のほとんどなくなった銀杏の木がさっぱりした様子で立っているので、街の景色が変わってしまうことを詠みましたが、うまく詠めていない。再考します。

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3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）
退職されている管理部長なら問題ないのに、現職という意識が強く、変な解釈をしてしまいました。

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6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし
　「落葉」は私の出したお題でしたが、すぐ出来そうでなかなか出来ず、ぎりぎりになって森の散歩に出てようやく出来たものです。
　物足りなさを自分も感じていました。なんかもう一つ欲しいなあと・・。
　でも、みなさん好意的に読んでくださり嬉しいです。ありがとうございました。
　次回まで、来年まで、ごきげんようさようなら。

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お祖父ちゃんにもらった十粒がちんじゃらじゃらドロップに換えたか新生だったか

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1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
銀杏はほぼ一日で全ての葉を一斉に落とすそうだ。２時間で全部落ちることもあるとか。
この歌の銀杏は一夜で景色が変わるほどたくさん落葉したとみえる。その翌朝の様子を詠っている。
豪奢な銀杏落葉がもう少し見えるといいなぁと思った。「どっさり」「たまる」の言葉が合わないかも。

2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら
誰かいるような気がして振り向いたが、朴の落葉があるだけだった。朴の葉は大きいので何かモノの気配がしたのだろう。
「乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり」がとても良いと思った。「気配なく」を「あらなく」とするとそこがもっと強く生きる気がする。良い瞬間を捉えた。

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）
退職後会った元管理部長は自らを「濡れ落葉」と自嘲気味に語った。在職中の「 硬柔を臨機に分けた」その仕事ぶりを高く評価していた作者は「そんな風に自分を卑下しないでほしい」と思う。仕事仲間だった人の現在へ寂しさとエールの入り混じる想い。下句の倒置が効いている。「硬柔を臨機に分けし」・・とても良いが「硬柔」か「硬軟」か迷う。

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら
「小人の三角帽子」とは、童話の挿し絵のように可愛らしい銀杏の葉。
下句は「金に光りつつ落ち葉のうえに」としたい。三角帽子が光りつつ落ち葉のうえに落ちたのだろうから。

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし
ちょっと物足りない気もするが、さらっと詠んでいて嫌味がない。「ガサゴソ」の飾り気のなさが却っていい。日常的な散歩、という感じに貫かれている。

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鑑賞「落葉」
1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
　銀杏の葉が一夜でどっさり歩道に落ちた。
　銀杏の落葉は黄色く明るいので、その当りの景色が一変する。
　「景色変わりたり」は、詩（短歌も詩）の言葉としてはどうか…だが、
　素直な気持でもある。

2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら
　「カサリ」と、音がしたのか。
　何かの気配を感じて振り向いたが、人は居ない。大きな朴の落葉が一枚落ちている。
　朴の葉は大きいので、こういうこともあるだろうと思える。

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）
　高島市民病院の管理部長さんと言えば、相当な地位であると思う。
　そしてその部長さんは、「硬柔を臨機に分け」る、人間味のある懐の深い人物。
　作者は尊敬もしているのだろう。
　その人が、今、「濡れ落葉です」と、現在の自分の状態を話したのだ。
　職場では、頼りになる尊敬できる人が、定年になり、家にばかり居ると、
　奥様の家事の邪魔にもなる・・・そういう状態の人を「濡れ落葉」と、揶揄して言うが、この（元）部長さんは、自分を自嘲されたのであろう。
　作者は、「そんなこと言わんといてよ」という思いなのだ。
　「硬柔を臨機に分け」で、人柄を表したところは上手いと思った。

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ
　自然のなかに体も心も入り込んでいるとき、つまり山とか林の中、森の道などを
　歩いているとき、無心になっている。そういうときは「わたし」というものは見えない。自然と対峙しているときの気分を詠んだ。成功と思う。

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら
　四句までは、詩的でとても魅力を感じて読んだ。
　とくに銀杏の葉を「小人の三角帽子」「金に光り」はよいと思う。
　ただ「散り残」っているのに、「落葉のうえに」の結句は如何に？

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし

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1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
情景は上句で描かれているので、結句は別の展開か、語句の選択が望ましいと思いました。
【いつも端正で格調漂う作風の作者に、先週のような冒険を含む歌はとても新鮮に読みました。】

2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら
一瞬ドキリとする、確かに誰かの気配を感じたのに。。
深まる秋を感じる瞬間でもある。
思わず拾い上げたくなる朴落葉。大きい葉っぱですね。朴の葉、いまはスーパーで売っている。自然の感じ方も様変わりしましたね。

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ
…へ…、…へ…、の、くり返しは作者の意識の向かう方向指示とみた。
意識は見えない。見えないけれども作者の実体と常に一緒である筈。
けれども往々にして作者の意識は一人歩きをするのだ。
それをまた見ている作者の目が敷設されているような不思議な歌。

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら
見過ごしそうな身近にあっても見る人にしか見えないメルヘン。
作者の無意識の中に生きている少女の初々しさが零れ出たような楽しさと哀しさを併せ持つ小さな秋。紛れもない秋。

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし
切り倒した樅ノ木などを担いで…欧米のクリスマスを思い起こすような場面が過る。
作者のお家のまわりの風景と一体化している作者像だと思いました。
（歌の人、森のひと、畑の人…takashiさん）
作者のうしろにはスタンバイしているトナカイの橇が…何処へ向かうのかなぁ。

（今回は少々、訳あってホロ酔い状態で全編を鑑賞させて頂きました。
ちょっと変かもしれません。　お許しあれ！　（しかし、これ、けっこう楽しい。）

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1.一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
一夜に歩道に散り積もった銀杏の落ち葉。嵩高く　黄金色に景色が一変しまった。一枡あけは　景色が一変したことの驚きを表してられるのでしょか。



2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）
　高柔　臨機応変　管理部長の日ごろをよく見てられる。尊敬されていた方でしょうか。下句の言葉で察せられる。「濡れ落葉」は退職されてからのつぶやきでしょうか。

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ
　自分をみつめてられる歌。鳥と落葉と風への呼びかけ　時は晩秋。しみじみ感が滲む

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら
　金色の小人の帽子　童話の1ベージの1シーンのよう。金色と銀色「銀杏」の1字。の取り合わせ。「金に光りつつ落ち葉の上に」は　　すでに落ちている葉の上に金に光りつつ銀杏のはが落ちる　と読みましたが〜

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし
　おちばを踏む音が伴奏のよう。お天気も作者の気分もよく気がつけばジングルベルをくちづさんでいる。季節感も詠われている。

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1. 一夜にて銀杏の落ち葉はどつさりと歩道にたまる　景色変はりたり　　　ひさお
一夜の風に全ての葉を落としてしまった銀杏の木　まとっていた葉は黄色のじゅうたんとなっている。いつもの景色が一変し季節が変わりゆく一場面を歌う。

2. 振り向くにひとの気配なく乾反りいる朴落葉ひとつ足元にあり　　ひらら
人の気配は全くない静けさに落ちたばかりの朴の一葉が足元に終の瞬時をとらえる。

3. 硬柔を臨機に分けし管理部長自ら言うな濡れ落葉などと　　　フミコ
　（高島市民病院）
管理部長殿あなたは臨機応変にやってこられましたよ。ぬれ落ち葉などそんなみじめな業績には見えませんがと上司を異端なく観察されている。

4. 鳥へ鳥落葉へ落葉風へ風　見えぬわたしとしばらくゐたい　　　ウプラ
色即是空の四字熟語が過りました。時世とともに人の心もコロコロ変わっていきます。

5. 散り残る銀杏は小人の三角帽子金に光りつ落ち葉のうえに　　　さらら

6. ガサゴソと森の落葉を踏みてゆくジングルベルの歌口ずさみ　　たかし
ガサゴソ　カサコソ濁音がない音も交互にうたうと軽快になり　なおジングルベルの歌がマッチしてきます。歌いながら歩く上機嫌な時間を持つことは大切ですね。

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握りしむマスカット大のひ孫の手新生児にむかい双掌に包む

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　デザインの思案の尽きずペイズリーの斬新生地をパァとひろげる　　ひらら

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次回のお題

　「餅」です。

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