
2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/22(Fri) 09:17 |
投稿者 |
: フミコ |
参照先 |
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2022.07.28 (木) 題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
題詠 「意味」
観賞 「雷」
出題 ウプラさん
※ 鑑賞 (雷)
1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ ウプラ
2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた さらら
3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず たかし
4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ ひさお
5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母 ひらら
6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷 フミコ

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/29(Fri) 19:37 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
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ひららさん
ご主人が退院されてよかったですね。
難手術に耐える体力をお持ちになっていたのはすごいことと思います。
猛暑に堪えながら静養されるのもしんどいことでしょうが、ひららさんのご協力で乗り切られることを祈念いたします。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」

Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」

Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 22:38 |
投稿者 |
: ひらら |
参照先 |
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わたくし事
明日夫が退院します。大変な手術でしたが成功し、生命を授かりました。皆さんご心配をおかけしました。感謝します。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 22:33 |
投稿者 |
: ひらら |
参照先 |
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遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ ウプラ
定家葛 式子内親王を愛した定家が式子内親王の死後も忘れられず定家葛に生まれかわり墓に絡みついた。般舟院御陵の墓には絡んでいる。ジャスミンのような香りがする。山向こうにする雷雨、風が変わったのかひんやりとする。定家葛の香りもしてくる。
2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた さらら
雷とお臍と蚊帳。おさな日の思い出。幼いきょうだいが蚊帳のなかで 母を取り合い繋がっていた。母子の姿、声まで聞こえそう。
3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず たかし
雷魚 生命力の強い魚、かなり大きいのを捕られた。詠いはじめから結句まで作者のよろこびと高ぶりが感じられる。長浜港のコンクリートの地にばたばの雷魚。竹生島観光より下船しても生きていたのを思い出した。
4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ ひさお
全くそのおもいは全人類の願い。地雷機雷核兵器のみならず、安倍さんの事件も生々しい。世界の火薬を全部花火にとのこどもの詩を思い出す。
5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母 ひらら
6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷 フミコ
リアルな作品。体験された生々しさが読者に直に伝わる。
落雷の記憶。ゴロゴロピカピカの形容ではなかった。バリッ。目の前の青田に落雷。飛び散る泥がスローモーションの水滴のようだった。青稲は焦げて真っ黒。助かってよかったですね。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 21:27 |
投稿者 |
: ウプラ |
参照先 |
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お休みの件、賛成です

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」

Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 21:16 |
投稿者 |
: ウプラ |
参照先 |
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けふ意味に偏りやすきわがアタマ叩けばポンと良い返事だが

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 21:07 |
投稿者 |
: ウプラ |
参照先 |
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1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ ウプラ
2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた さらら
「繋がつていた」には風が通り抜けていくような何とも言えない良さがある。今はもう無いことへの懐かしさと悲しみが、さらっと親しく感じられる。
考えるとすれば「幼な日の」か。
3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず たかし
怖いような雷魚の生命感。「雷」という文字のもつ強さが生きている。「くくりつけて」がまだ格闘しているような感じ。雷魚に合掌。
4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ ひさお
国家間の戦争に使う武器のことを詠ったと想像するが、上句と下句の関係がやや悩ましい。核兵器と「すぐ」の関係でなければいいのかとか、もっと小さい武器(護身用の銃や手製爆弾みたいな)はどうなのかと「武器はみな」との関係で考えてしまった。
5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母 ひらら
これだけの内容を整理してきちんと伝えるのは大変力の要ることだと思った。落雷に遭った松が息子の運命に重なった。そのことにより、祖母もまた<落雷>に遭ってしまった。「子の征きし」と語り手の言葉として和らげてもいいと思う。
6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷 フミコ
大変な経験をされた。
生死の境界を左右する何の因果関係もない只の冷たい偶然、その偶然性に支配されるしかない小さな存在であることに粛然とする心境が「僅かにわれを逸れし落雷」に垣間見える。
「わが」「われ」をどちらか一つにするとすれば「傘は折れ身は青き田に」かなぁと思った。或いは「 傘を折りこの身を青田にふっ飛ばし」か・・・もう少し変えられる気がする。
下句巧み。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 20:32 |
投稿者 |
: さらら |
参照先 |
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1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ ウプラ
初夏,遠雷が山をこえていくと よい香りのする白い花の定家葛が匂うだろう。空気感と芳香を巧みに1首に歌う。
2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた さらら
3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず たかし
好日の大先輩桑原すみ氏の肥料袋にナマズののたうつ歌が過ります。1時間もドジョウは死なずに生命力がある。自転車の荷台に縄でくくり付けて喜び勇んで帰る。
4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ ひさお
武器を持たないコスタリカのように 地球上からすべての核兵器などなくしたい強い念願を持つ。
5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母 ひらら
二つの忘れえぬ恐ろしい虚しいこと祖母のまた語る。戦争は子供女性を地獄に陥れる。
6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷 フミコ
怖い体験のお歌 けがもなく無事で何よりでした。一寸先は闇 何が起こるやもしれぬ日常。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 19:39 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
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題詠を9月1日は休むことについて、異議なしです。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 19:12 |
投稿者 |
: さらら |
参照先 |
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明暗のせめぎ合うわが人生の意味を思えり結局ひとり さらら

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 |
: 2022/07/28(Thu) 18:22 |
投稿者 |
: たかし |
参照先 |
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※ 鑑賞 (雷)
1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ ウプラ
定家葛・・白の五弁の小さな花が咲く葛ですね。匂いはどんな匂いなのか。
遠雷なので遠くで鳴っている雷、それが山を渡るという仕掛けが大きい。
遠雷を聞いて想像した情景、と言っていいのか。それとも定家葛は作者の身近にあるのかも知れない。
遠雷から定家葛へと、思いを飛ばしているのだが、違和感は感じない。成功していると思った。
2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた さらら
蚊帳に入りましたね。なつかしい情景。母を取り合うというのが幼い子供の頃の真実。
三句「蚊帳に入り」以下は思いがこもっていて良いと思います。
一句、「幼な日」は、下句の「母を取り合い・・繋がっていた」で分かる気がする。
二句もこのままだと「雷(らい)鳴るときは」と読むことになるが、
子供の頃には「かみなり」としか言わなかった。
かみなりの鳴る夏の日は・・等、やさしい語が似合うように思う。
3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず たかし
4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ ひさお
「武器よさらば」ですね。地雷、機雷、そして核兵器、これらは直ぐに地球上から無くしたい。
ストレートに思いを述べた歌。共感する人は多いと思う。わたしも同感です。
非常にまっすぐでストレートな表現、どこか一箇所クイッとひねりたくなる。
5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母 ひらら
祖母の子、つまり作者の親世代、父上か、叔父上が出征された年に、その老松に雷が落ちたのでしょう。
雷に打たれて裂けた老松が、裂けたまま聳えているという。
子を出征させる母親の気持ちが、この松に象徴されている。
6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷 フミコ
逸れたといっても極わずか、20センチほどかも知れない。
傘が折れて、身は田んぼに飛ばされた。
よく命が助かったもの。臨場感あり。

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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」

Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」