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4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/03(Fri) 08:55
投稿者 フミコ
参照先
♪ 次回・「たどたど」スケジュール ♪ 

R・02.04.09  (木)

題詠    「夢」
鑑賞&批評 「ガラス」
出題当番   ゆきさん

鑑賞詠草 「ガラス」

1. わが家のガラスに映る自姿を眺めて通る若き女性ら  ひろゆき

2. 磨りガラスを透明ガラスに変換す 心(しん)までクッキリ白内障の術後  フミコ

3. ガラス窓越しに桜と雨を見る「だいじょうぶだぁ」と呟いてみる  ゆき

4. セルを着て考(ちち)がコホリと咳をする暗き書棚のゆらゆらガラス  ウプラ

★「暗き」か「旧き」か迷っています。ご意見よろしくお願いいたします。

5. ベネチアにクリスタルガラスのネズミ買うわが掌にきらり七彩  さらら

6. 「等身大人体経穴図」別注の額縁はガラス重かりし昭和  たかし

7. 選り取りの青や虹色アクセサリー手に取り見歩く黒壁ガラス館  ひさお

8. 人熱(いき)れにくもるガラスをぬぐいたり居眠る男(ひと)の横顔うつる  ひらら
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/16(Thu) 12:10
投稿者 ゆき
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遅くなりましてすみません!ご批評いただきありがとうございました。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/11(Sat) 22:25
投稿者 ウプラ
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フミコさん
馬場あき子さんの白内障の歌、読んで下さってありがとうございました。臨機応変というより片付けてないからすぐ手が伸びる椅子の周りと申しますか。
私は一連を読んで、自分が分かっていなかったところが少し見えてきたような気がして。
描写や形容の必要なところとか一首のなかの分量とか、今までやみくもに手探りでやってきたものの輪郭が見えてきた・・・かもしれない。
ちょっとまだうまく言えませんがフミコさんの白内障のおかげ。ありがとうございました。よろしくお伝えください。
でも、きっとまたわからなくなるのでしょうね。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/11(Sat) 22:15
投稿者 ウプラ
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ひろゆきさん
「透明のガラスに映る己見て通り過ぎ行く若き女性ら」・・「自姿」よりいいですね。でもちょっと硬い?「ガラス戸に映る自分を(姿を)眺めつつ通り過ぎ行く若き女性ら」くらいかなぁと思いました。
考えさせてしまいました。けっこう難しいですね。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/11(Sat) 22:13
投稿者 ウプラ
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皆さま、「暗き書棚」か「旧き書棚」かについてありがとうございました。
亡くなった義父の使っていた書棚で、昔の歪んで見えるガラスです。ひららさんは難なく読んでくださったようですが、「セル」「考」「ゆらゆらガラス」とスッと理解し難いところ満載の歌になってしまいました。「セルを着て考がコホリと咳をするしづかなしづかな午後の(春の)階段」くらいにしようかと思います。(あ、お題のガラスがない)
たかしさんの案「暗き書斎のゆらゆらガラス」は空間の中にガラスが見えて素晴らしいので有難くいただくことにします・・・これは色々に使えそう。この際フミコさんの鑑賞もいただいて・・「噴きあ上がる樹々のみどりを透かしゐて暗き書斎のゆらゆらガラス」。

「暗き」と「ゆらゆらガラス」がしっくりするようですね。ありがとうございました。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 22:46
投稿者 たかし
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ウプラさん、ありがとうございました。よく分かりました。
亡父を(ちち)は、あまり使いたくない・・・これも分かりました。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 21:48
投稿者 ウプラ
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追加
義父も義母も若く結核で亡くなりました。普段そんなことは忘れているのですが、歌を書くときに、ふと自然に出てきます。天井裏に棲んでるね。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 21:29
投稿者 ウプラ
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皆さま、ご批評ありがとうございました。
亡くなった義父の使っていた書棚です。

たかしさんの質問、「考」について。
「亡父」ではなく「考」とした理由は、亡くなった義父のある側面を感じさせることと、(希望的には)男性性というものの好ましい一面も表すと思えたからです。それから、湿った感じがしないという無意識な理由もあった気がします。
死んだ母は「妣」で、時々使われますね。「考」はあまり見かけませんが、見つけた時にセットで覚えました。「亡父」を「ちち」と読ませるのはあまり好みません。

こんなところで答えになっているかな?
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 19:46
投稿者 ひさお
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7. 選り取りの青や虹色アクセサリー手に取り見歩く黒壁ガラ館 
批評ありがとうございました。
手に取ってあれこれ選ぶことのできる印象が強く「選り取りの」と
したのですが、いい感じを与える表現ではなかったようですね。
いろいろの  とりどりの  どちらかにします。
「手に取り見歩く」も苦しんだところです。ウプラさんの「ひやかし歩く」は思いつくことができなかった表現です。ありがとうございました。 
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 18:29
投稿者 たかし
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4. セルを着て考(ちち)がコホリと咳をする暗き書棚のゆらゆらガラス  ウプラ

 この歌の批評で「考(ちち)」が私は分からず、変なことを書いてしまいました。
 ひさおさんの評を読んで、改めて調べたら、考には死んだ父という意味もあるのだと。
 しかしウプラさんのお父上は確かご存命だと思うので、
 もしかしたら義父さん(ご夫君の父上)のことであろうか・・と考えました。
 違っていたらすみません。
 こういう場合(つまり既に無くなっている父上を言う場合)
 よく使われるのは「亡父」と表記して「ちち」と読ませる方法。
 作者はこの方法を避けたかったのか?
 「考」にしたことについてのウプラさんの意見を聞きたい。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 18:17
投稿者 たかし
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6. 「等身大人体経穴図」別注の額縁はガラス重かりし昭和  たかし
 みなさまのご批評、私の意とするところを受け取っていただいたと思います。
 この額を注文したのは、昭和50年頃だったと思います。
 京都のホテルで、夜、無免許で働きながら専門学校へ通い、
指圧、あんまマッサージ師の免許をこの頃、取りました。
 貸家を借りて治療院を始めるその部屋の壁に、この人体経穴図を飾ろうと思ったのです。
 図そのものは、印刷なので専門店で、それほど高価でなく買えるのですが、
 押しピンで壁に留めておくのは安っぽくて嫌で額縁に入れたかった。
しかしそんな大きな額縁はありません。
 京都の街の額縁を作っている店に行って、特注で作ってもらいました。
 出来たという電話があり、自転車に乗って受け取りに行ったのですが、
額本体は木枠と裏板で、軽いものですがガラスがとても重たく、
 自転車に乗ったままでは運べず、大変な時間を掛けて歩いて運びました。
 今ならひさおさんの評にある軽いアクリル板がありますが、昭和のその頃は、ガラスのみでした。
 免許を取ったものの、経験も浅く、自信もなかったので、
 部屋にインパクトのある人体経穴図を飾って、いわば、こけおどしの道具にしたのでした。
 これは今も壁に掛かっています。
 もうこけおどしの必要はないのですが・・・・。
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「ガラス」お礼
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 10:11
投稿者 ひろゆき
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それぞれに鑑賞・評をいただきありがとうございました。
わたしの南向きの家の前を通り過ぎる人たちは中学生であったり勤めを持つ男女です。毎日ではないですが、多くその時間帯に階下の机の前にいることがあり、自然に目に入ります。ウォッチングをしているわけではありません。男性の多くは何の動作もなく通り過ぎていきます。女性の中には私が正面にいるわけではなくかつ、眺めているわけでもない室内に気づき慌てて去っていく人もあります。
ウブラさんの評に応えて、いや応えられるはずはありませんが
透明のガラスに映る己見て通り過ぎ行く若き女性ら  己が気になりますが私の限界です。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/10(Fri) 09:30
投稿者 フミコ
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今回も温かくお読みくださりありがとうございました。
いちいち肯きながら忘れないように読み返しています。

ウプラさん:

馬場 あき氏の、白内障関連の歌...ありがとうございます。
馬場氏によると白内障もグンと格があがったように感じました。
私もこんな風に詠みたいなぁと憧れます。
それと、臨機応変にパパっと出てくるウプラさんの内蔵にも嫉妬を持ちますが、これはいつもの事なので遠くて近い灯のような感覚です。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/09(Thu) 23:40
投稿者 たかし
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鑑賞詠草 「ガラス」
1. わが家のガラスに映る自姿を眺めて通る若き女性ら  ひろゆき
 窓(またはドア)のガラスに自分の姿を映してみる。
 これは若い女性のみとは限らず、男の私も経験あるし、今もときどきする。
 その家の中から作者に見られているとは知らずに・・。
 臨場感があり、現実的、よく分かる。成功作。

2. 磨りガラスを透明ガラスに変換す 心(しん)までクッキリ白内障の術後  フミコ
 白内障手術をした術前と術後とで、磨りガラスと透明ガラスの違いがある。
 比喩が適切でよく分かる。
 視界がクッキリしただけでなく、その変化は心にまで及んだ。
 ただ、心(こころ)は、こころと詠みたい気がする。
 「まで」でなく「も」にすれば可能になるのだが・・・

3. ガラス窓越しに桜と雨を見る「だいじょうぶだぁ」と呟いてみる  ゆき
 志村けんさんを作者は思っている。
 ガラス窓越しに・・・何か心が開放的でない状態を感じる。
 その理由は、一般的には新型コロナウイルスのまん延であるが、
 個人的なストレスである可能性もある。
 そうした心を圧迫してくるものに対して「だいじょうぶだあ」と、
 志村けんの真似をして叫んでみる。そう言ったことで本当に大丈夫な気持になれたと思う。
 偉大な人でしたね。

4. セルを着て考(ちち)がコホリと咳をする暗き書棚のゆらゆらガラス  ウプラ
 セル・・・?これは着物の生地の一種だと思う。ネットで調べたら
 和服用の羊毛生地であると分かった。
 多分、羊毛が原料だからセルは暖かい着物なのだ。
 寒い季節、そのセルを来た父(考・・・?)が、咳をする。
 「コホリ」が、痩身で、もの静かな老いた父を浮かびあがらせる。上手い。
 暗き書棚のゆらゆらガラス、
 この「ゆらゆら」は私分かります。昔の書棚はカチッとレールに嵌まっていなくて、
 遊びが大きい。だからゆらゆらなのだと思う。
 「旧き」より「暗き」がいいと思うけれども、
 暗き・・・というと或る空間を表わす感じになる。
 だから暗き書斎の・・・ではあかんのか。どうしても書棚でないとあかんのかな。
★「暗き」か「旧き」か迷っています。ご意見よろしくお願いいたします。
 父がなぜ(考)に(ちち)のルビなのか。
 お父さんの名前はもしかしたら「考(たかし)」なのかな。
 
5. ベネチアにクリスタルガラスのネズミ買うわが掌にきらり七彩  さらら
 よく海外へ旅する作者、ベネチアのクリスタルガラス、ネズミを買った。
 よほど作者はそれが気に入ったのだ。
 だから「わが掌にきらり七彩」となるのだが、
 上句「ベネチアに・・・・ネズミ買う」、は説明になったのが惜しまれる。
 ここは推敲の余地のある作。

6. 「等身大人体経穴図」別注の額縁はガラス重かりし昭和  たかし

7. 選り取りの青や虹色アクセサリー手に取り見歩く黒壁ガラス館  ひさお
 黒壁ガラス館、長浜の新名所になりました。
 この黒壁というのも、元は銀行だった建物だとか、
 「選り取りの」というと、どれをとっても同一値段とか、
 どれでも無料で上げます・・・みたいな印象がある。
 これ、本当はそうではないのではないか。いろいろの・・・という意味で使ったのではないのか。

8. 人熱(いき)れにくもるガラスをぬぐいたり居眠る男(ひと)の横顔うつる  ひらら
 今のコロナの時節では、絶対避けなければならない状況だ。
 混んだ電車で、長距離を行くような感じ。
 東北へ夜行列車で行ったとき、窓ガラスはこんな感じだった。
 切り取り方が上手い。
 とくに下句の「居眠るひとの横顔うつる」が、曇ったガラスを拭った時の感じリアル。
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/09(Thu) 21:59
投稿者 ウプラ
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明け方の夢の管よりおりてきて昔の犬の鼻濡れてゐる
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Re: 4/9 題詠「夢」・鑑賞&批評「ガラス」
投稿日 : 2020/04/09(Thu) 21:50
投稿者 ウプラ
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フミコさんへ

濁りたる水晶体に見てゐたる見えがたき世のにがさも現実(うつつ)
見んとするうるはしきものは残れるや濁れる水晶体いま抜かれをり
水晶体濁らせ生きし個人史に添ふごと濁る物象ありき
人工のレンズ眼球に入り来たりすずしくて青き裏富士立てり
見ることと見ゆることとはちがふされど心なぐしも白内障消ゆ
水晶体入れ替へて見る世のいろのなかにしていひやうもなく美しき白
            (「水晶体」馬場あき子 )
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