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10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/04(Fri) 08:51 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
★ ★ ★ ★ ★
鑑賞&批評 「切手」
題詠 「後半」
出題 ひさおさん
※ ※ ※ ※ ※
「切手」 一覧
1. 青の蝶切手の絵より抜け出して自動車のまえ軽やかに舞う さらら
2. 2円切手のエゾユキウサギ シート買いしてこの度の値上げに対処す たかし
3. 届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
4. 白杖を持てる人への頼もしき親切手をとり交差点渡る ひさお
5. 花切手の花への思い記しあり手にする便り毛筆なりき ひらら
6. 切手たち同じ形にお供連れ十月を行く郵便の道 ひろゆき
7. 折々の風情映して貼る切手わが師なせるをわれも倣いぬ フミコ
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/12(Sat) 14:08 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
うわ!ゆきさん。
凄い!都都逸錬者なのですね。凄い!
下の様な面白い遊び方もあります。
折り込み都都逸
「めざまし」←これを頭に折り込みます。
めぐしあの子を座敷に籠めて毎晩添い寝のし放題
「今様・半今様遊び」
今様とは簡単にいいますと平安時代の末期に、後白河院が執筆編纂をした「梁塵秘抄」に書かれてある、当時の流行歌である歌謡のことを指します。
良く知られている今様に次のようなものがあります。
遊びをせんとや生まれけん
たわむれせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声聞けば
我が身さえこそ揺るがるれ
7 5 ・ 7 5 ・ 7 5 ・ 7 5 ・が・今様
7 5・ 7 5 ・が・半今様・と言われています。
7の部分は、3 4 か 4 3 を意識して詠む。。
「今様 」
どれほどあなたを思ふても 人目はばかる恋として
揺れて止まない男(を)のこころ 切なく見ている女(め)のこころ
「半今様 」
若さが華と喩へられ 花の数にも入れられぬ
「こしいれ」折り込み今様
恋に鳴ります下駄の音 新三郎に逢いたやの
生霊からころころからり 恋慕お露のいじらしや
遊びとしては都都逸は、なかなか面白いです。
****
短歌のお部屋なのに、野暮な書き込みで、皆様ごめんなさい。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/12(Sat) 13:10 |
投稿者 | : ゆき |
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蔦の道さん
都々逸いいですねえ。
鴉ざわざわ御陵(ごりょう)のお山これは朝明(あさけ)の風じゃない
台風が近づいて、御陵のお山の鴉がざわざわ言ってます。
皆様、台風お気をつけくださいませ。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/12(Sat) 10:32 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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ゆきさん
短歌は57577
都都逸は7775
の違いはありますが、どちらも歌うような調べが魅力的です。
細かいるーるも流派によっては厳しいようですが、基本的に7775で創ります。
この形ももう少し細かく(3 4)(4 3)(3 4) 5、の骨格で創られており、一番目と三番目の(3 4)は、(4 4)でも構わないことになっています。
また、二番目の(4 3)は、(2 5)にも変われるルールがあり、ちょつとややこしいのですが、とりあえずこれらを基本として遊んでごらんになってください。なかなか魅力的です。
ちなみに私はネットで覚えました。
短歌に似ているので詠いやすいと思います。
昼間夕さり夜から朝明(あさけ)うつつ忘れて夢ごもり
たかしさん
確かにポストがネックですね。集配された大きなポストがあるといいなあ。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/12(Sat) 07:40 |
投稿者 | : たかし |
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6. 切手たち同じ形にお供連れ十月を行く郵便の道 ひろゆき
ひろゆきさんの自歌解説&推敲後の改作も読みました。
改作の結句の「郵税の旅」の「郵税」というのは分からない。
今回の値上げは「消費税」ですね。
郵便の場合、郵税というのかな?
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/12(Sat) 07:34 |
投稿者 | : たかし |
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3. 届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
この歌について、蔦の道さんの解説を読んだ。
「鮭の腹子をほぐす」については、丁寧に書かれている。
「ああ、そういうことなのだろうな」と思わせる。
そこからの連想だが、どこか遠いところのポストに、
「剥がれ落ちて貼りついている切手たち」があり、
それが、ポーっとこのポストを灯している……という連想である。
そんなにたくさんの剥がれた切手が貼りついているものか。
これは一般家庭のポストではなく、街角にあって誰もが投函するものとか、
郵便局の前にある大きなポストならば、そういうこともあるかも知れない。
しかし、そもそもそんなに切手は剥がれているものなのか。
ここが私の疑問のひとつです。
届かなかった切手が、ポストをぽーっと灯している……という連想は詩的であるが、
作者の言うところまでは普通の読者は感じ取れないのではないか・・・
というのが解説を読んでの私の感想。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 20:08 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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たかしさんご説明有難うございました。
分かりにくい私の歌について少し補足させていただきます。
3. 届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
現実を詠うか?
現実から想像を飛ばして、説明できない世界を詠うか?
いくらの醤油漬けを作るのは本当に根気と手間がかかる。
生筋子の旬なので、買ってきてはいくらの醤油漬けを作っている。
手順は省くが、寄生虫をよくよく除外しながら、
鮭の卵の脂を洗い落しながら黄金のいくらの粒粒が産まれる。
鮭のお腹にいるときの輝きは眩しいばかりだったろうなあと思いを投影しつつほぐしてゆくのだ。
ここからどこかの遠いポストに連想が飛ばされ、剥がれ落ちて貼りついている切手たち。
まるで今、手にしている鮭の腹子のように、どこかのポストをぽーっと灯している届かなかった切手たち。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 19:43 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
ゆきさん、批評ありがとうございます。
蔦の道さんのお尋ねについて
この「たどたど」題詠は木曜日がメインで、その時に詠草の投稿も批評も終っています。
それ以後は、自由に誰もがコメントしています。
自分の歌への意見について応えてもいいし、分からないと言われたことへの説明など、
そうしたことをコメントするのは自由です。
また、コメントしないのも自由です。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 18:25 |
投稿者 | : ゆき |
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1.青の蝶切手の絵より抜け出して自動車のまえ軽やかに舞う さらら
これが「自転車のまえ」だったら、郵便局へ郵便を出しに行く作者の手紙に貼られた切手から蝶が抜け出たような印象受けますね。
2.2円切手のエゾユキウサギ シート買いしてこの度の値上げに対処す たかし
エゾユキウサギ大活躍ですよね。わたしはこの秋1円切手の人が前島密だと初めて知りました。
3.届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
あんまり意味はわからないのですが惹かれる歌です。「鮭の腹子をほぐす」がいいですね。蔦の道さんの都々逸も自己紹介のところで拝見しましたが、ドキッとするフレーズを入れ込むのが巧い方とおみうけした次第です。結句が和歌っぽいのも好きです。
4.白杖を持てる人への頼もしき親切手をとり交差点渡る ひさお
「頼もしき」とわざわざ書くのは、手を引いている人が年若い人だからでしょうか。若い人のこうした姿は頼もしいですね。
5.花切手の花への思い記しあり手にする便り毛筆なりき ひらら
毛筆のお手紙、頂戴すると嬉しいものですよね。大切な方からのお手紙でしょうか。
6.切手たち同じ形にお供連れ十月を行く郵便の道 ひろゆき
同じ形にということは82円+2円などの組み合わせをさすのでしょうか。だいたい、お供はエゾユキウサギか前島密さんですね。
お供という表現がかわいらしいです。
7.折々の風情映して貼る切手わが師なせるをわれも倣いぬ フミコ
折々の風情映して…たしかにそうですね。切手はいろんな景色を見せてくれる小さな小窓みたいですね。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 14:46 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
こんにちは。自分の歌の解説も書くべきなのでしょうか?
一通り評価が終わってからがよろしいですか?お尋ねいたします。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 12:11 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
題詠「切手」について、ご丁寧な鑑賞・評をいただき有難うございました。
まずは「形」について、ひさおさん、ひららさんから評をいただきました。ここは「姿」に。
さららさんから、不足分としての切手。たかしさんからは郵便の道、お供連れの推敲を。
蔦の道さんからは、諧謔と擬人化された切手?と。
歌は、買い置き、残りした切手では値上げ=2%?によりそのままでは通じず、2円切手ウサギの、を足し出さねばならなかった。このことを“お供連れ„としました。
たかしさんからの推敲をと評もうけ、
切手たち同じ姿にウサギ連れ十月を行く郵税の旅
9月まで通じた同じ切手とウサギが2円切手と解することがキーですが。郵税の旅は遊説にかけて。言葉は政治家の行動を言うのですが。 ひろゆき
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/11(Fri) 10:14 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
4. 白杖を持てる人への頼もしき親切手をとり交差点渡る ひさお
批評をいただきありがとうございます。
頼もしきの語はどうかなあと感じました。
作者の感情移入がないほうが良いと感じました。
蔦の道さんからこのように批判をいただきました。
白杖を持っている人に手を差し伸べたのが自分ではないこと
を明確にしたかったので、「頼もしき」としましたが、さらに
いい表現があるか考えてみます。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/10(Thu) 21:04 |
投稿者 | : たかし |
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1. 青の蝶切手の絵より抜け出して自動車のまえ軽やかに舞う さらら
たまたま青色の蝶が作者の運転する車の前を舞った。
その前に、作者は青い蝶の切手を見ていたので、その切手から抜け出してきたのかと思った・・・・そういう情景を思った。
世界には(特にブラジルの切手)、とても綺麗な蝶の切手がある。
作者は常に外国へ行ったりして、あちこちに友達を持っている社交的な人。
どこかの国の友人からの手紙に貼ってあった青の蝶の切手が印象に残っていての、この現象に出会ったのではないかと思った。
歌としては、言葉の順などの関係から、唐突な感じがする。
推敲の余地あるように思う。
2. 2円切手のエゾユキウサギ シート買いしてこの度の値上げに対処す たかし
3. 届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
この上句、どこで切って読むのかと迷った。
「切手ポスト」というものがあるのか。
または「届かざる切手」で一旦切り「ポストを灯しをり」と続くのか。
ここのところで迷った。
「鮭の腹子をほぐす」の行為は、私は単に「夕暮れ」という時間を味付けしたものと感じたが、どうなのだろう。
非常に卑近なこと、(つまり私にも最近あったこと)に引き付けて考えれば、この10月から郵便料が上がり、今までの切手では届かずに「料金不足」で戻ってくる。
作者の家のポストは、郵便物が入るとその重み等で、小さな灯が点るようになっているのではないか。
両目不足で届かなかった切手、その戻って来た郵便物にて、ポストが灯る。
その小さな灯は、夕暮、辺りが薄暗くなって初めて気づく。
・・・などと、勝手な想像を働かせてみましたが、恐らく見当違いかと思います。
4. 白杖を持てる人への頼もしき親切手をとり交差点渡る ひさお
「切手」を「親切」と「手をとり」に分解しての詠草、見事です。
わたしもこの「切手」を分解したかったのですが、どうしても考え付かなかった。
ちょっと悔しい。
5. 花切手の花への思い記しあり手にする便り毛筆なりき ひらら
作者に届いた手紙に貼ってあった切手は、花の切手だった。
その手紙のなかに、その切手の花のこと、その花への思いが記してあった。
しかも、毛筆であった・という。
ここまで言うならば、この切手の花の名を言って欲しい気がした。
6. 切手たち同じ形にお供連れ十月を行く郵便の道 ひろゆき
切手の形は、独特の形、先ず、周りがぎざぎざでカットされている。
私は、気に入りの絵を、あのカットを真似てハサミでギザギザに切って、
切手に見えるようにして、封筒に貼って(もちろん、本物の切手も貼って、その横に)
人に送ったりしますが、なかなかあのギザギザは難しい。
円みがあるギザギザなのです。あのように切れるハサミが欲しいです。
で、歌のことですが、「お供連れ」が分からなかった。
「郵便の道」というのも、郵便屋さんが走る道は、確かに決まったルートがあるのだと思うが、それを「郵便の道」と言えるかどうか。
この歌も推敲の余地あるのでないか。
7. 折々の風情映して貼る切手わが師なせるをわれも倣いぬ フミコ
桜の咲くころに来る手紙には、そうした切手が貼ってあったり、
夏の暑い時には、西瓜の絵の切手…などと思う。
それを自分も倣う。人がしていることで良いと思ったことは自分も倣う・・・
私もそうです。
この上句「折々の風情映して」が、歌の奥行きを深めている。
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」
投稿日 | : 2019/10/10(Thu) 19:10 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
1. 青の蝶切手の絵より抜け出して自動車のまえ軽やかに舞う さらら
愛車の前を飛んている青い蝶は切手から抜け出して来たのかしらと作者は思う。作歌の気持と景がたってくる。図鑑で蝶の名が知りたい。
2. 2円切手のエゾユキウサギ シート買いしてこの度の値上げに対処す たかし
蝦夷雪うさぎのシートの切手。2円切手とだけせず 兎のなが詠まれてよい。封書追加料金なら2円切手でいいのですね。私は1円切手も買った。
3. 届かざる切手ポストを灯しをり 鮭の腹子をほぐす夕暮れ 蔦の道
素材やそれぞれの語彙は惹かれる。届かぬ切手がポストを灯す と 下句の 動作との兼ね合い 私には難解です。
4. 白杖を持てる人への頼もしき親切手をとり交差点渡る ひさお
交差点で
心温まる景をみて 早速歌に詠まれた。読み手も心温まる。勇気ある人に対しても。
5. 花切手の花への思い記しあり手にする便り毛筆なりき ひらら
6. 切手たち同じ形にお供連れ十月を行く郵便の道 ひろゆき
お供連れ は 同じ形(切手は殆ど同じ形)の切手を幾枚か連ねて貼ることかしら。そのハガキ封書が10月の町
道を配達されていくと解した。値上げ月の歌。
7. 折々の風情映して貼る切手わが師なせるをわれも倣いぬ フミコ
風情については ひさおさんが詳しく述べてくださる。
心遣いある師をまねてならいて 作者もおりおりの反映する切手を使用されている。作者の文箱を覗いてみたい。
題詠「後半」
Re: 10/10 題詠「後半」・鑑賞&批評「切手」