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1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/24(Fri) 07:32
投稿者 たかし
参照先
次回 2020.01.30(木)

 鑑賞&批評「浮遊」
 お題・・・「石段」
 出題・・ゆきさん(でなければ、蔦の道さん)

 ※  ※  ※  ※  ※
  詠草「浮遊」一覧

1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
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< 12345>
Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/31(Fri) 10:06
投稿者 ひさお
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7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
ウプラさんの批評
但馬皇女の「人言ひとごとをしげみ言痛こちたみ生ける世にいまだ渡らぬ朝川渡る(万2-116)」の歌が下敷きになっているらしい。それを「朝川に」に漂わせ、そこから道ならぬ恋の「魔の浮遊感」にもっていったと読みました。
蔦の道さんに驚かれてしまったが、「朝川」のことはまったく知りませんでした。ウプラさんと蔦の道さんの底のない深さの知識に脱帽です。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/31(Fri) 08:34
投稿者 蔦の道
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ひさおさんへ

浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
タイムリーなニュースが飛び込みました。

ひさおさんの危惧が現実に。

衝突危惧された大型廃衛星2基がニアミス、宇宙ごみの大量飛散免れる
AFP=時事】運用が終わった人工衛星2基が衝突速度時速5万3000キロで衝突し、1万個以上の宇宙ごみが飛散する可能性が指摘されていた問題で、両衛星は29日、衝突せずに通過したことが分かった。

米空軍宇宙コマンド(US Space Command)が明らかにした。
 2基はグリニッジ標準時(GMT)29日午後11時39分(日本時間30日午前8時39分)、米ピッツバーグ(Pittsburgh)の約900キロ上空で交差。専門家らは、衝突する可能性は宇宙分野の確率としては高い1〜5%としていた。
 
宇宙コマンドの広報担当官はAFPの取材に対し、互いに接近する軌道を進んでいた2基は「何事もなくすれ違った」と話した。
 2基のうち1基は赤外線天文観測衛星「アイラス(Infrared Astronomical Satellites、IRAS)」。1983年に米航空宇宙局(NASA)、英国、オランダが共同で打ち上げたが、運用されたのはわずか10か月だった。
 
欧州宇宙機関(ESA)のデータによると、アイラスの重量は約1トン、寸法は約4メートル×約3メートル×約2メートルでトラックほどの大きさ。
 
もう1基は米空軍が1967年に打ち上げた試験衛星「GGSE-4」で、重量はわずか85キロだが、幅60センチ、長さ18メートルという独特な形状をしている。
 
大気圏外の人工天体の運動を研究する宇宙力学者のダン・オートロギー(Dan Oltrogge)氏はAFPの取材に対し、もし両衛星が衝突していたら、大きさ10センチを超える破片が約1000個、1センチ超のものが1万2000個以上飛散していた可能性があると語った。
 大型人工衛星が極めて高速で衝突するのは珍しいが、大量の宇宙ごみが飛散するため地球を周回する他の衛星や宇宙船にとって脅威となる。
 
こうした事例が初めて起きたのは2009年、運用中だった通信衛星「イリジウム33(Iridium 33)」と使用済みのロシアの衛星「コスモス2251(Cosmos 2251)」が衝突し、大型破片約1000個が低地球軌道に飛散した。
 
現在、記録されているだけで約2万個のソフトボールより大きい宇宙ごみが地球を周回しており、その速度は最大で時速2万8000キロにもなる。これらを避けるために衛星運用者らはたびたび衛星の軌道を修正しなければならないが、衛星が機能していないとそれも不可能だ。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/31(Fri) 08:20
投稿者 蔦の道
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冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら

ひららさんのお歌が現実の出来事を詠われているとは読めませんでした。
ごめんなさい。
しかしながら、病気から回復されたというシチェーションが分かる言葉は必要かと思いました。

人言(ひとごと)を 繁(しげ)み言痛(こちた)み 己(おの)が世にいまだ渡らぬ 朝川渡る 但馬の皇女

朝川渡るの言葉を知らないことが驚きだった。
私の様に浅学で表面しかなぞらない者でも「いまだ渡らぬ朝川渡る」の言葉の心震えるリズムは忘れない。忘れられない。

万葉集も古今も新古今も教科書に出るくらいしか知らない。
大学も出ていないし、要するにパーなんだけど、「いまだ渡らぬ朝川渡る」のリズムに但馬の皇女の命を懸ける覚悟がみえる。

但馬の皇女と穂積の皇子の愛を思えば、まなじり清く朝川を渡る但馬の皇女の思いの深さが偲ばれる。

道ならぬ恋は足元を踏み外す如き勇気がいるのだ。

あらゆる倫理も、周囲の非難も、地位も名声も捨て去って、恋に命を懸けることの酩酊感陶酔感を現代の私たちは忘れたのかもしれない。

すべて道徳を踏み外しても愛する人の元に行くのだ。
紅潮した但馬の皇女の覚悟のまなじりが見える。
朝川渡るの言葉を知らないことが本当に驚きだ。

重なれる思ひのひだの朝川を但馬の姫の素足きらきら

朝川を渡る但馬の姫皇女の冬蝶の夢いまだ美し

朝川の浅瀬の飛沫浴みながらまなぢり清く恋の身ぞゆく

忘れねば忘れられねば鍵鎖して穂積の皇子の朝川の恋
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 22:25
投稿者 ひらら
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1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら
 元気に海外旅行をした日々といまの身体を比べ少々嘆いているが よいしょの掛け声 自分を鼓舞して励ましている。ユーモアがある。実体験のうた。


3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし
 今日のニュースを直ぐ作詠。マスクで防ぐが は 防げどにしたら滑らかかなと思う。

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき
 上句は作者の好奇心 興味深さが伺える。が それについて行けないもどかしさを下句で日々悔いてられるよう。私の日々も悔い心大です。

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ
 菊理媛 学びました。上句の動作の具体表現が 魂浮遊する以下の読みを深めてくれる。

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき
 自動ドア前での作者のとまどい。何らかの都合で反応してくれないドア。困惑の様子 口語表現が合う。



7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
 朝の川 かがやく飛沫 あびながら 魔の浮遊感への こころのうごき 不安定ドキドキ感あり。


8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
 壮大な宇宙問題を身近なゴミの語を使い
宇宙ゴミ 人工衛星の果て を 憂いてられる。地球環境宇宙環境 現代の課題を素材にされている。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 21:43
投稿者 ゆき
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1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら
明子さんは、命を失いかけたのでしょうか。「明子やで」に母上さまのあたたかさと、優しさを感じます。明子さんも子どもさんに同じことをしてあげていそう。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら
イスラエルとこたつの対比が面白いですね。こたつは沼みたいで出られないですよね。よいしょのかけ声わかります。

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし
身近にいる誰かが気持ちが沈んでいると、自分の気持ちもそれにともなって沈んできますよね。

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき
心はどこにでも浮遊して行けて自由ですよね。あちこちに行くということは心が元気な証拠だと思います。

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ
菊理媛(くくりひめ)についてうっすらとしか知らなかったので、古典文学専攻の新人よしだくんに訊いたところ、イザナギイザナミが黄泉の国でお別れするときに、イザナギが塞いだ千引の大岩を盤石なものにするために生まれた?神様だとか。基本黄泉の国でしか活動していないそうなので、木々の間を魂が浮遊しているってことは、からだは黄泉にあって魂だけがあくがれいでているんですかね。いいうた。
そしてやっぱり、魂になっても石を置いてくるんですね。


6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
あんまり良くわからないんですけど好きな歌です。この歌のなかに入って朝川の景を見たい。
蔦の道さんの歌風は新古今の時代でいう幽玄体なのかもしれないなあ。

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
人工衛星収集車、じんこうえいせいしゅうしゅうしゃの響きが好きです。じんこうえいせいしゅうしゅうしゃ ださねば と続くとリズムが悪いように思います。
宇宙ゴミとなり果てたのは何…?
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 21:37
投稿者 ウプラ
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3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし
ウィルスさえ防ぐというマスクをもってしても私のこころの沈んでいくのを防ぐことはできない、と言う。
4句までをもう少し結句の「沈むこころ」に触れていきやすい感じにならないかしら。新型肺炎ウイルスとマスクがいばっていて、結句の邪魔をしているような気がする。
4句切れで転換する歌の形は、結句の言いさしの余韻と相俟って、良いと思いました。

あれよあれよという間に爆発的に蔓延して、出詠された時より4句までの内容を強く感じるようになっている。そこを何とか考えたいのですが、今回はこのままで。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 21:14
投稿者 ゆき
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お題 「かたき」でお願いします。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 21:10
投稿者 ウプラ
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夕暮れがわたしの顔になる前に雨の来さうな石段下る
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 21:07
投稿者 ウプラ
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1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら
大病をしたわれがこの世に生還したときの母の様子ですね。「明子やで」という関西弁のゆるい感じが母の切実さを裏切っているようだが、いやいや、そこに母の非情にピュアな言葉の存在感やリアリティが出ていて、実に心に沁みる。
表現上の小さな矛盾に事実のもつ力を感じさせる。素直な気持ちが素直に出て気持のいい歌。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら
死海ではあんなに軽かった私の体が・・・!こたつの中にいると重力が増すようなところが可笑しい。
「イスラエルの死海に浮遊せし身体こたつ出る時よいしょと言えり」
ですっきりすると思いますがいかがでしょうか。 


5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき
自動ドアが壊れているという設定。
「浮遊霊」などオカルト素材を軽く使って、結句のとってつけたような「かな」も敢えてオーバーで、明るい。
「主張し」が硬いかな。「浮遊霊なんかじゃないと・・・」
「踏んであかせる・・・」といく手もあるか。

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
但馬皇女の「人言ひとごとをしげみ言痛こちたみ生ける世にいまだ渡らぬ朝川渡る(万2-116)」の歌が下敷きになっているらしい。それを「朝川に」に漂わせ、そこから道ならぬ恋の「魔の浮遊感」にもっていったと読みました。
「踏みはづすとふ」では理が強くなって、観念臭が出てしまう。歌としては、「踏みはづしたる魔の浮遊感」と、自身のこととして直接性を出したいと思いました。
「浮遊」のお題で「魔の浮遊感」とはさすがですが、万葉集に気づかなければ読めないというのはいただけない。

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
ゴミというのは優れて現代的なモンダイで、しかも人工衛星とは、「浮遊」を上手く使ったものだと感心。
「人工衛星収集車」が面白いので、3句切れにしてみました。下句が新たに立ち上がって悪くないと思いますが、作者の思惑とは少し外れてしまいました。
「浮遊して宇宙ゴミとはなり果てり(なりにけり)人工衛星収集車出さねば」 
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 16:26
投稿者 さらら
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1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら
彼女は結婚前に大きな事故にあわれ再起が危ぶまれるように聞いていた。とても苦しい闘病生活から今の心身ともに健詠の頼りがいのある女性と敬愛している。
母上のご心配 足を撫ぜ快癒を祈られたその当時の母娘の絆と愛を忘れない。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし
目に見えない不気味な武漢のウイルス 細菌兵器を幾度も地球人に振りまく
確り見定めていないと滅亡に追い込まれそう。マスクで予防など安易なことで済めばいいがと中国のやり方を信じられないのです。この歌の真意 困惑を感じます。

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき
私の日常を重ねて親しく鑑賞させていただいています。平凡に日々暮らせる幸せ
健やかに平穏にゆったりとすごしましょう。

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ
賽銭を入れたり石を置いたり人間にはいずこの国にも見る行為 具体的な表現に共感しています。

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき
スリムで少女のような作者の体験の歌。地団太踏みせっかちな面も見えて面白い。

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
ひかりのまぶしさと飛沫のなかに足元危なくふらつき恐ろしい一コマご無事で何よりでございました

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
宙も地球もごみの群れ スケールの大きな視点より未来を見定め類型を見ない発想の歌
ものを欲しがらず買わず地球を汚さないようにと思うのですが〜
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 15:36
投稿者 さらら
参照先
朝の散歩びわ湖ホールの石段を九八で屋上に南湖広がる
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 14:49
投稿者 ひらら
参照先
訂正をします。

 木洩れ日の射す石段をひゅるるるすべる蛇(くちなわ
)ひかりを反す  ひらら
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題詠「石段」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 14:18
投稿者 ひろゆき
参照先
石段を登り来たりて下を見む帰りの道の恐怖覚ゆる
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 13:57
投稿者 ひらら
参照先
詠草

 木洩れ日の射す石段ひゅるるるすべる蛇(くちなわ)ひかりを反す  ひらら
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 鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 12:54
投稿者 ひろゆき
参照先
1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている               ひらら
幼い頃、重病にかかり生死をさまよい、母が一生懸命足をさすりながら泣いていた。ということを後年母から聞いた。冥界を浮遊してきたとは作者の言葉とうけとつた。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声         さらら
近時ニュースになった場所。海水の塩分が多く人間の体が浮くという。その楽々とした身を体験した今は掛け声なしでは体が立ち上がらないと。

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは              たかし
下句から作者は中国に長期滞在された経験がおありなのだろうか。最近の中国の勢いは環境を無視もしくは制御する法律もなく、一人っ子政策を廃止した時から、ただただ経済物の生産性に重点を置き発展する。近隣諸国へ病菌を撒くという認知はないのだろう。

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく              ひろゆき

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚         ウプラ
下句で塚のある木々の間を浮遊する菊理媛の魂…縁結びの神?…に来た証拠にと石を置いて離れた。賽銭箱があれば願いも込めてというところを静寂さと併せるがごとく石一つ置くという行為が歌を立たせる。

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな             ゆき
自動ドアは説明するわが主張を全く聞いてくれずドアを開けてくれなかった。とすると私は浮遊霊かと。ときたま遭遇することがある。電源が入っていないとか修理中との張り紙もなく。
 

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感              蔦の道
朝日を受けた川の飛沫をうける。打ち網の漁猟を手伝いながら動いているとき川底の石を踏み外し倒れていく
一瞬の空をもつた。その空を魔の浮遊感とされたのだろう。

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば              ひさお
人工衛星が打ち上げられ、多数の国がそのことに参加。航空する飛行機と衝突しないか、障害物とならないかが
問われていたのは今は昔の話。作者が下句で収集車と世俗の世界へ戻されて人工衛星を改めて考えさせられる。
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