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1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/24(Fri) 07:32
投稿者 たかし
参照先
次回 2020.01.30(木)

 鑑賞&批評「浮遊」
 お題・・・「石段」
 出題・・ゆきさん(でなければ、蔦の道さん)

 ※  ※  ※  ※  ※
  詠草「浮遊」一覧

1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 10:16
投稿者 ひさお
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大会の備へ盤石段だんと気は引き締まり頭は冴ゆる  ひさお
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 10:14
投稿者 ひさお
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1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら
多分作者が若いとき重病にかかり、奇跡的に癒えることのできた体験
であろうと思われる。看病していた母が足をさすってくれて、冥界を
さ迷ってきた明子やと泣いている。
何歳の時のご病気かは知らないが、元気になられてよかったですね。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら
死海では身が浮かぶそうですね。作者は何年か前に旅行されたと聞いています。
家では身軽には行動できない。おもしろい対比です。

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし
一千万都市武漢が封鎖されている、現在の大問題。
「マスクで防ぐが沈むこころは」はリズムがよくない。また「沈むこころは」
の言わんとしていることも分かり難い。単にこころは沈むの倒置なのか?

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき
心があちこち浮遊するとはどんな状態だろうか。
「何も成せずに」だから、やらねばならないことが多くあるが、どれにも
手がつけられないので、落ち着いた気分になれない。
博打や異性に気をとられるということではなさそうだ。
読書するための本が多く、あの本もこの本も読みさして読書以外のこと
には手がつけられない状態であろうか。

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ
菊理媛は縁結びの神として信仰されているらしい。石川県白山市と大阪市に
菊理媛神社がある。大津市の日吉大社も菊理媛と関係あるようだ。
作者は菊理媛塚を訪れた。木々の生い茂る神秘的なところにその塚はあり、
媛の魂が浮遊していると信ぜられている。
そこで石を一つ置いてその場を去った。信仰心の篤い作者であることが伺われる。
二句切れが効いている。

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき
自動ドアの故障か停電か。作者は生身の人間なので、体重はある。それにも
拘らず自動ドアが開かない。「地団駄踏んでも」で、悔しさがよく分かる。


7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
「朝川」を早朝に行う川漁と解釈したい。
早朝、日の出の眩しい光に照らされた飛沫を浴びながら川漁を行って
いる。投網を使っているのであろうか。投網を投げようとしたところ、
魔が差したように頭がふわっとして、足を舟から踏み外した。危うく
川に落っこちそうになった。きわどい一瞬である。

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 07:45
投稿者 たかし
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  詠草「浮遊」一覧
1、冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら
 上句「・・・明子やで」は、母のセリフだ。
 病気か怪我かの危地を脱した娘(作者)の無事を喜んで泣いている母の描写。
 切り取り方が上手い。

2、イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら
 前半は元気に海外へ出かけて死海に浮かんだりしている状態。
 後半は年齢重ねての状態。その落差を嘆くところに歌の眼目がある。
 そのところ(落差)が、少しあいまいな表現なので、
 前半をもっと格好良くすることで落差が明確になると思うが・・・。
 ・イスラエルの死海浮遊せし水着美女もこの頃こたつを出る時「よいしょ」など。

3、浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし

4、わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく  ひろゆき
 上句「日毎あちこち浮遊して」は、いろいろなことに関心が向いて多趣味であるが、
 下句、結局は何も成果が出ることがない・・・という嘆きが詠われている。
 何か一つでも具体的なことがらがあると、作者がどういうことに興味をもっているのか、
 などが読者にも判る。

5、石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚  ウプラ
 来たという証に石をひとつ置いて、その場を離れる作者。
 その場は、霊魂の気が濃厚な場所なのだ。
 この「菊理媛」というのは調べると奥深い伝説がある。ウィキペディアの解説の部分は、
 【神産みで伊弉冉尊(いざなみ)に逢いに黄泉を訪問した伊奘諾尊(いざなぎ)は、イザナミの変わり果てた姿を見て逃げ出した。しかし泉津平坂(よもつひらさか)で追いつかれ、イザナミと口論になる。 そこに泉守道者(ヨモツチモリビト)が現れ、イザナミの言葉を取継いで「一緒に帰ることはできない」と言った。 つづいてあらわれた菊理媛神(ククリヒメ)が何かを言うと、イザナギはそれ(泉守道者と菊理媛神が申し上げた事)を褒め、帰って行った、とある。 菊理媛神が何を言ったかは書かれておらず、また、出自なども書かれていない。
 この説話から、菊理媛神は伊奘諾尊と伊弉冉尊を仲直りさせたとして、縁結びの神とされている】とある。
 この菊理媛の塚がどこかにあって、そこに作者は居るようだ。
 生者と死者の境がおぼろな空間を作者は感じ、その感じを表そうとしたように思う。

6、浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき
 体重の軽い子供が、自動ドアの前で「開かない!」と
 地団太を踏んでいる光景を思い浮かべた。
 もしかしたらこういう思い出が作者にはあるのかもしれない。
 「地団太」がいい働きをしている。

7、朝川のかがよふ飛沫あみながら踏みはづすとふ魔の浮遊感  蔦の道
 「朝川のかがよふ飛沫」・これは水飛沫だろう。
 それを「あみながら」・浴びながら、
 「踏み外すとふ」・これを私は、真っ正直に読むのだが、何を踏み外すか、
 朝川とあり、飛沫を浴びながらとあれば、橋なのか、と思うが、
 多分、作者の思いはそんなことではないのだろう。
 この「踏み外すとふ」が読み解く鍵になっていると思う。
 私の読みはここまで。

8、浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお
 ゴミならば収集せねば・・という発想だ。
 でも、人工衛星が宇宙ゴミになるのは既に現実化しているらしい。
 本当に収集衛星が活躍する時が近いかも知れない。
 楽しいが怖いような歌。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 07:35
投稿者 蔦の道
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石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚 ウプラ

>菊理媛神、又は菊理媛命(ククリヒメのカミ、ククリヒメのミコト、キクリヒメのミコト)は、日本の神 。 加賀国の白山 や全国の白山神社に祀られる白山比盗_(しらやまひめのかみ)と同一神とされる 。

>くくり姫の伝説「ウィキペディア(Wikipedia)』を読んでいるだけで頭が痛くなった。
全国に地方地方の伝説がありよそ者にはめったに縁がない。
本腰を入れて調べないと、思いがわたくしのものにはならない。
かくして「菊理媛(くくりひめ)」を調べるまでにこころが高揚しなかった。

ぷかぷかついの歌を知らなければ、くくりひめの歌を選んだかもしれないが、ぷかぷかついを知ってしまったらくくり姫の方はどうでもよくなつた。
神話の世界の話に私のロートル化した脳は感応せずです。
いいお歌ですが、ぷかぷかついには負けるな。

 浮遊するペットボトルがぷかぷかつい海亀殺そぷかぷかつい

言葉遊びの楽しさ満杯。ぷかぷかついの「つい」はなんだろう?
「物事のおわり。終局。最後。生命のおわり。ついでに。」を意味した「つい」なのでありましょうが、魚たちや海亀がついついとついばむ「つい」でもあるような。

オノマトペの楽しさ、リズムの躍動と鎮静された寂しさもこの歌からは読み取れる。
理屈ではない「詩」が余すところなく浮き上がる。短歌も、詩の世界を遊べるこころがないと訴える力は無理かもしれない。

浮遊する新型肺炎ウイルスはマスクで防ぐが沈むこころは  たかし

しずむこころが落ち着かない。浮いている。それはなぜかというと、五句を投げやりに付け足したとしか読めないからだ。四句と五句に渡せる言葉としてやはり唐突に読めるのだ。

例えばでごめんなさい。差し出がましくてごめんなさい。

浮遊する新型肺炎ウイルスをマスクで防ぐ 無駄な抵抗
浮遊する新型肺炎ウイルスの「パンデミックがそこに来ている」

などの様に,情で絡めず冷徹に読み下したほうがいいと思われる。

大きな新しい病気の原因はたいてい不潔な中国から発生する。
生のネズミや野生動物を売買して食べる国ですから、これからも新型ウイルスはこの国から生まれ続けることでしょう。マスクで予防なんぞ蟷螂之斧でありましょう。中国は真実を隠し埋めてしまう国、すでにしてパンディミックらしいよ。

浮遊霊じゃないと主張し地団駄を踏んでもあかぬ自動ドアかな  ゆき

はははは。面白い楽しいお歌です。
きっときっと体重が軽すぎてセンサーが認識してくれなかったのでありましょう。
場面を想像して大笑いしましたぞ。
「主張し」が固い。

浮遊霊じゃないじゃないと地団太を踏んでも開かぬ自動ドアかな・・こんな柔らかさはどうかしら?

冥界を浮遊してきた明子やでわが足さする母泣いている  ひらら

冥界に浮遊して亡き母に会いに行ったのね。私の足をさすりながら母は泣いている。
あかん! こんな歌に会ったら母恋しさでおいおい泣きそうだ。「お母さん明子やで」
の言葉がなんともいえない味わいを出しています。

イスラエルの死海に浮遊せしこの身体こたつ出る時よいしょとかけ声  さらら

死海の塩湖に浮かんだ体はさぞや軽々とのびのびと四肢は動いたことでしょうね。
下界に戻ってくると、こたつから出るのにも掛け声がいる。悲しいよ~~ね。


わが心日毎あちこち浮遊して何も成せずに日を重ねゆく ひろゆき

一首取りこぼしなく完成しています。
我がことのように無意味な人生を指摘されてただただ申し訳ございません。


浮遊して宇宙ゴミとなり果てし人工衛星収集車出さねば  ひさお

この歌はとても面白いです。
収集車にすべきか?  回収車にすべきか? 音韻で決めるなら回収車かもね。
世界ニュースで提案したいアイデアですね。
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 07:27
投稿者 蔦の道
参照先
石段

木犀の金の小鈴を打ち鳴らし秋が石段(きざはし)おりて憩へる
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Re: 1月30日・お題「石段」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/30(Thu) 06:23
投稿者 たかし
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安土城に来やれ大手道石段を上り切れば見ゆ信長の夢  たかし
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Re: 1月30日・お題「?」  鑑賞&批評「浮遊」
投稿日 : 2020/01/24(Fri) 07:40
投稿者 たかし
参照先
2月は、11日にWEB歌会があり、6,7,8日に詠草投稿と
なりますので、
2月は、題詠全休とします。冬休みです。
1月30日の次は、3月5日となります。
一週間くらい前に、風前灯などでお知らせします。
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