9月19日(月・祭日)開催できると思っていた秋期短歌大会ですが、県内のコロナ感染者数減らず、開催を断念しました。
当日は幹事・選者が寄り、今年から始めた中学生短歌コンクール「短歌!賤ケ岳」の応募作品の賞の選定を行ないました。
合わせて、秋期短歌大会の受賞者への賞状及び楯などの記念品を送るための作業を実施。
令和4年秋期短歌大会 入賞作品
◆特選8首◆
大会大賞:AIと短歌詠み合う近未来まさかの先の楽しみ探す 市川秀子
滋賀県歌人協会賞:命毛にのぼる墨の香筆はじめコロナ収束の文字大書す 我孫子紀郎
滋賀県歌人協会賞:子ら孫ら三十人の盆になる電話を切りて石うす洗ふ 大西幸
特選:祖の祖より守り継ぐ農地三町歩にジュラルミンの建屋令和ザウルス 藪紅美子
特選:相席の女学生持つ手持ち扇風機(ハンディファン)どうですかと吾に向けくれぬ 田中とも子
特選:大き鯛丸ごと捌き刺身にす男孫(まご)の学ぶはユーチューブなり 佐伯一惠
特選:逼迫すコロナの会見上まはる手話通訳の火照る表情 太田澄子
特選:手術後の吾の右手は四つ増え子の手夫の手姉の手ひだり手 山本弘美
◆入選17首◆
4月24日(日)二年ぶりの春期短歌大会は草津市の会場「キラリエ草津」にて開催することになりました。
コロナ禍のため、午前10時から総会、11時から表彰式と、午前中に終わるように計画しました。
令和4年春期短歌大会 入賞作品
◆特選10首◆
知事賞:分譲後半世紀経るわが街は向かいも隣も介護車停まる 神谷琴美
県議会議長賞:リスボンの夜の路地裏濡らす雨ファドの調べに火影の揺れて 我孫子紀郎
県教育長賞:子も孫も嗜まざれば如何にせむ碁盤・尺八・わが作る歌 東岸隆
県歌人協会賞:秋夕焼ゆあーんゆよーんふらここもじゃんぐるじむも子も燃ゆるごと 西嶋節子
NHK賞:今日からは「歳相応」を返上し派手めに装ひ前向きに生く 北村冨士子
読売新聞社賞:マスク顔意志伝わらず目ぢからの筋トレ励もう強くやさしく 梶川孝子
中日新聞社賞:脳トレは愚痴言わぬことと聞きしより息子(こ)に言いたきをぐっと呑み込む 小椋清子
京都新聞賞:床の間も障子も襖も知らぬ子が正座して飲む茶道教室 那須洋子
毎日新聞社賞:なにもかももういらないと整理しつつ歌の心は老ゆるも残さん 小谷敏夫
産経新聞社賞:二年ぶり集いし新年話すたびせわしく戻すマスクの茶話会 山本弘美
◆入選17首◆
9月18日(土)彦根にて開催を予定していました令和3年度の秋期短歌大会も
コロナ禍のため、春期大会に続いて中止せざるを得なくなりました。
大会のために72名の方から195首の投稿をいただき、感謝の気持で一杯です。厚くお礼申上げます。
大会は中止しましたが、応募作品の審査は滞りなく行ない、優秀作品の表彰状、副賞は郵便にて送らせていただきました。
令和3年秋期短歌大会 入賞作品
◆特選8首◆
大会大賞:五十音図に載らぬ「ゐ」と「ゑ」が友からの文の中にてぷかぷか浮かぶ 直木逸子
滋賀県歌人協会賞:おとなしく娘(こ)に従へば良いものを残るプライドありて邪魔する 北村冨士子
滋賀県歌人協会賞:階段の手摺りの艶が増してくる我に握られ我を支えて 葛城照美
特選:二歳児の畳むタオルのそのままを愛(いと)しみ仕舞ふ母となりし娘(こ) 太田澄子
特選:大根の切り方異なる味噌汁を息子の家で今朝は味わう 那須洋子
特選:ストローにリップをとどめ立ち去ったきみは私を飲み込んだまま 中村宣之
特選:どこへ行くも体温はかり氏名かき入口を通る令和の関所 小谷敏夫
特選:鐘・太鼓・松明かざし畦道をいもち送り火賑々と行く 大西幸
「就任にあたって」会長・澤絢子
4月18日(日)に予定していました春期短歌大会は、コロナ禍のために縮小して表彰式のみを行ないました。
当協会は昨年40周年を迎えて、今年は41年目、孔子は四十歳を「四十不惑」と悟り、この節目の重要性を説いています。
当協会にとって「四十不惑」の年度を、社会の変化に適応しながらどう乗り越え発展させていくべきか、
皆さまと共に創意工夫し、一丸となって取り組みたいと存じます。
◆特選10首◆
知事賞:柔らかい湯気たちのぼるお手軽なぬくもりひさぐコンビニの冬 中村宣之
県議会議長賞:いち日に五人と語るが理想とうわれは畑に大根かぶら 村岸千鶴子
県教育長賞:袋ではじっとしていたかつお節踊り始めるたこ焼きの上 葛城照美
滋賀県歌人協会賞:ひたすらに打ち水重ね客を待つ琵琶湖の風を呼ぶ夏座敷 中村ケンジ
NHK賞:コロナ禍に在所の人か道端の地蔵様にも花柄マスク 森典子
読売新聞社賞:コーラス終え廊下に出(いで)ればたちまちに解凍されゆく私のからだ 押谷保寿美
中日新聞社賞:ななかまどの赤き実たわわガイド終え今年限りと小谷城址道(じょうしみち)仰ぐ 小谷敏夫
京都新聞賞:息子(こ)の視線感じつつ食む元旦の米寿の雑煮二つ入れたり 小堀由起
毎日新聞社賞:壊されし家跡にまなこ閉じおれば祖母の声生むつめたき風が 田附孝子
産経新聞社賞:三密に留意の旗が初場所の土俵の縁(へり)をゆつくりまはる 柴田弥藏
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